マラソンブームの原点 オニツカタイガー
アシックスの創業者である鬼塚は1918年、鳥取県出身 戦時中は軍人としてビルマ 線に参加。そして喚後の 1948年(昭和24年)に神戸で興した鬼塚商会が、バスケット シューズを製造販売したことがアシックスの前身です。
始め の鬼塚商会は学校や警察にズック靴を納める配給問屋でしたが、鬼塚は「青少年がスポーツに打ち込める良い靴を 作る事を決意。そのために、鬼塚は靴の仕入先の工場で見習いとして雇ってもらい、靴の製造技術を身に付け国産 初のスポーツシューズを製造し始めます。
鬼塚は各地の学校で選手や監督に意見を聞き、シュー ズの改良を進めながら全国を営業して歩き、高校の運動部を中心に徐々にオニツカの商品が売れていきました。鬼塚はシューズのブランドを新鮮で印象に残り、スポーツシューズにふさわしい、強さと敏捷性をあらわすものとして「虎印」 としました。
ただ虎印の商標権はすでに他社に取得されていたため、鬼塚と組み合わせて「ONITUKA TIGER」印を 横につけ、虎の絵の下にTigerの文字を靴底につけました。
現在のアシックスの社名の由来は、古代ローマの作家が 唱えた「健全な精神は健全な肉体に宿る」(Mens Sana in Corpore Sano)という言葉から着想を得ていますMens (精神)をAnima (生命)に置き換え、各文字のA・S・I・C・Sを 並べたものだそうです。現在では国内の競技用シューズの売上高一位を誇り、業界屈指の総合スポーツメーカーに君臨しています。
一方海外売上げも年々拡大しており、2015年には海外売上げ比76%を達成するなど、グローバル企業として高い知名度を誇る企業に発展しています。 そして驚きですが、以前アメリカでのオニツカタイガーの販売代理店であったBRS社は、後にナイキ(NIKE)になりました!
1963年に日本に旅行したナイキの創業者が、オニツカシューズの品質の高さと安さに感銘を受け、オニツカ社にアメリカでの販売を依頼。オニツカの輸入販売代理業務を開始します。その後ナイキブランドを創設しますが、初期のナイキはオニツカ製の商品だったそうです。
現在出回っているオニツカタイガーの名前は、アシックスによる復刻ブランドです。復刻と言いましても昔のシューズの再現ではなく、新しいデザインで販売されています。今やアシックスのスポーツシューズは、ヨーロッパをはじめとする世界各国でも絶大な支持を集める存在だそうです。
創業者の鬼塚氏の魂が、脈々と世界中に受け継がれているのですね