ただでさえ不安な災害発生時、食事や飲料水の不安もできるだけ少なくありたいですよね。防災への意識が高まる中で実用性と嗜好性のバランスを問われる非常食や飲料水、皆さんはどんなものを備蓄していらっしゃいますか?

近年、異常気象や天災などの災害が大きくクローズアップされるようになりました。メディア等でも取り沙汰されているように防災意識の高まりから非常用の食事や水、災害に関するグッズの開発が進んでいます。少し前に非常食を取り扱う売り場を見る機会があったのですが缶に入った柔らかいパンや有名店のシェフが監修したカレーやスープなどが並べられており、乾パンや氷砂糖が主流の頃とは全く異なるラインナップとなっていました。
学生の頃、防災訓練にて被災された方のお話の中で乾パンや備蓄米が非常食として多くを占めている理由を伺う機会がありました。それはシンプルな材料で製造されているためアレルギーの心配が比較的少ないことや、濃い味付けになっていると食べたときに水が欲しくなってしまう、美味だと一度にたくさん食べてしまうなどといった理由が一因となっているそうです。時代を知るための情報はキッチンに集約されていると聞いたことがありますが、非常食も時代の流れとともに移り変わってきています。普段から食べたくなってしまいそうなくらいおいしそうな非常食がずらりと並んでいるのを見ると如何に多くの人が食を人生の楽しみとしているかが分かりますね。
さて、食とともに大切なのはやはり水です。災害発生後72時間は救助活動が中心に行われ、その後避難している人々への支援を行っていきます。72時間、つまり3日間はなんとか自分の力を頼りに生き延びるための備蓄が必要となってきます。飲み水の他にもトイレや洗浄のための生活用水は必要となり、切り詰めても必要なしとすることは困難です。
さて、1日にどの程度の飲み水が必要とされているかご存知でしょうか。
実は1人1日あたり2リットルの飲み水が必要と言われており、例えば4人家族で3日分の飲み水が必要となると自宅には最低でも24リットルの飲み水を備蓄しておかなければなりません。もちろんそんなに水を飲まないから必要ないという方もいらっしゃると思います。かくいう私自身もそう思っていましたが、ジュースやコーヒーなどから摂取した水分を考えると意外と水分を摂っていたことに最近気が付きました。また、通常の水分補給以外にも災害時には不安などの精神的要因から喉の渇きを覚える方が少なくありません。
弊社の取り扱う防災グッズにも賞味期限が5年となっている500ml、7年となっている2リットルのペットボトル入り保存水があり、良い懐中電灯やラジオを揃えても幅広く生活に必要なものを揃えていなければ備えがバッチリとは言い難いのだと気付かされます。
そうそう、長期保存水と言うと腐敗を防ぐため薬品や添加物が入っているケミカルな印象を覚えてしまいがちですが管理の徹底されたクリーンルームで加熱殺菌を行ったり、硬く厚みのあるペットボトルへ空気との接触を極力抑えたボトリングをすることで長期の保存を可能にしているようです。つまり薬品や添加物の心配をせずに赤ちゃんのミルクにも使用できるので、赤ちゃんのために水を分ける必要もなくなります。
食料や水の備蓄は大災害のためにと気負う必要はなく、賞味期限をきちんと把握しながら入れ替えを行っていくと良いでしょう。私自身も実家では豪雪で水道管が凍結してしまったときや台風で停電してしまったときなどに使用しては買い足していました。
災害が起こってしまう前に「いつ」「どこで」「何が」必要になるかをしっかりと分析し、未来に命をつなぐための備えを常々心に留め置きましょう。