英語のBubble Wrapから日本で広く知られているプチプチ、エアパッキン、エアーバック、エアクッション、エアマット……他にも気泡緩衝材の登録商標はいくつもあります。
様々な名前を持つ気泡緩衝材、今回は梱包やルーツに関する豆知識についてお話していきます。

壊れやすいものの梱包に使われている気泡緩衝材、自宅で手にするとついプチプチしたくなります。
弊社にもロールで常備されており、マグネットシートや折れやすいプラスチック製品の梱包に使用しています。

ついプチプチと呼んでしまうのですが、一般的には気泡緩衝材と呼び「プチプチ」は川上産業株式会社の登録商標となっています。

CDなどが届いたときには梱包してある緩衝材をついプチプチしてしまいますよね。手元にたくさんあるときは雑巾絞りの要領で一気に割るのですが、なんとなく贅沢な気分になります。

さて、このプチプチはどこの国で生まれたのでしょうか。

正解は、アメリカです。

二人の技術者が簡単に清掃できるような壁紙を作ろうとしていたところ、誤って気泡が入ってしまったのが気泡緩衝材の開発のきっかけとなりました。
後にパソコンなどを包むために使われ始め、梱包材としての地位を確立していきます。

強力な接着剤を作ろうとして、とても弱い接着剤を作ってしまった失敗からポストイット(付箋)が生み出された話と似ていますね。

さて、気泡緩衝材は気泡のある凸面か平らな面のどちらが内側の方がいいのか気になったことはありませんか?
私自身は凸面を内側にした方が、クッション性が高まるのではないかと思っていました。

実は、どちらが内側でも問題ないそうです。

ただ、凸面を内側にしない方が良いものがいくつかあります。
柔らかい紙や鏡面などはそのまま包むと凸面の丸い気泡の形が残ってしまったり、小さな突起のあるものは気泡に引っかかって折れてしまうことがあるようです。

逆に、凸面を内側にすると良いものもあります。
びんや球状のものは気泡がぴったりとくっついて、すぽっと抜けてしまうことなくしっかり中身を守ってくれます。

そして梱包のみではなく、やはり気泡を潰して遊びたくなるのが気泡緩衝材です。

世界中、老若男女問わず気泡緩衝材を手に取るとつい気泡を潰すのに夢中になってしまいます。
プチプチして遊ぶことができると教えられずとも、なんとなく気泡を潰す遊びを始めるのはなんだか不思議ですよね。

さて、2010年にチリで起こった鉱山の落盤事故において、作業員の方々のストレスを和らげていたのがこのプチプチでした。

チリでの落盤事故を知った川上産業がプッチンスカットという気泡を潰して遊ぶための製品をチリ大使館へ贈ったところ、スペイン語の説明書を付けられなかったにも関わらず作業員の方々はこの製品をプチプチして楽しんでいたそうです。

2007年にはバンダイから気泡緩衝材を模した玩具である∞プチプチが発売され、人気を博しました。

関連商品には押すと萌えボイスが流れる種類もあり、有名声優を起用するあたりにもこだわりを感じられます。

ちなみに、気泡緩衝材はビニール製のように見えますがポリエチレンで作られています。

燃やしても有毒ガスの発生がないため燃えるゴミに分別しても問題ないのですが、自治体によっては燃えるゴミだったりプラスチックゴミだったりと分かれていることもあるのでご注意くださいね。