白熱中の平昌五輪もいよいよ終盤となってまいりました。 選手達の奮闘する姿にたくさんの感動や勇気を貰えますよ ね。
そんな中、スノーボードの試合中にフィンランド代表の選手の隣で、ナショナルコーチが編み物をしている姿が話題になったことはご存知でしょうか。
どうやら心理カウンセラーによる提案で、スタート時にできるだけリラックスできるように、数多くのフィンランド選手に取り入れられているようです。
本番でより良い成績を残すために各選手は、お守りや自分にとってのラッキーアイテムを持ち歩いたり、試合前に決まったルーティンを行ったりと様々な験担ぎをしていることが多いと思います。
ラッキーアイテムにちなみまして、ヨーロッパでは古くからU字型の馬蹄が幸せのモチーフとして定着しており、魔よけとして玄関等に飾る習慣もあります。
日本でも馬蹄型のアクセサリーを見かける機会も増えています。
ではなぜ馬蹄が幸運を招くとされているのか簡単にご紹介させて頂きます。
馬蹄の歴史はローマ時代にまでさかのぼり、主要な交通機関が馬であった当時はとても身近な道具でした。新品の物よりも、納屋の中から偶然見つかったような古い物の方がより魔よけの効果があるとされていました。
この魔よけの意味を見出した背景は「鍛冶技術」によるものだとされます 当時は現代ほど製鉄設備が発達しておらず、柔らかくなった鉄を叩き、焼きを繰り返し、純度を高めながら形を整えていく技術は大変難しく特殊で、一部の人間しか習得できませんでした。
その鍛冶屋の製鉄技術に対する畏敬の念から馬蹄にも神秘的な力が備わっていると信じられるようになったといわれています。
さらには、鍛冶技術の聖人ダンスタンが悪魔と馬蹄が掲げられている家には近づかないようにと取引を交わしたという伝説もあります。
20世紀以降、自動車文化に移行されたことにより古い馬蹄にこだわる習慣は薄れましたが、馬蹄型の物がラッキーシンボルであるという認識は変わらずに定着し続けています。
由来を理解した上で馬蹄モチーフの物を眺めると、奥義ともいわれた製鉄技術を持つ鍛冶屋への尊敬の思い、そして私たちの生活の大事な足となってくれていた馬への感謝の気持ちが湧き上がるように思います。
そんな心の浄化作用が自然と幸運を引き寄せてくれるのかもしれませんね。