ヒトの体は気温が高過ぎる時、低過ぎる時にストレスを感じ、そのストレスが病気をひき起こすこともあります。
暑い時には体の不調、寒い時には行動の低下が起こりやすく、一 般的に20度前後の気温はストレスが低いとされています。
気温は仕事をする上でのパフォーマンスに影響が出る可能性もあり、また個々で体感は違います。そこで、真夏の日中や真冬の夜、設定温度の合わない部屋、どんな場所でも個人単位で温度的な満足度が得られるエアコン付腕時計が開発されました。
その名も「Aircon Watch」です。
Aircon watchはクラウドファンディングサイト、Kickstarker のプロジェクトの一つで, 1300人以上のサポーターから 915万香港ドル(約1300万円)を集めて、香港の会社がデザイン、設計したものです。
エアコン付腕時計といっても風が出るのではなく、時計のバンド部分に装備されているパネルで体温をコントロールします。そもそも人間には自動的に体温を調節する機能があり、通常37度前後に保たれています。
気温が高い時には発汗して、気温が低い時には血管を収縮して熱を逃がさないようにしています。その体の中でも首、手首、足首には血流の多い動脈が通っていますので、体温調節をするのには効果的な部分です。
そのような仕組みを利用して、手首の神経、血管を暖める、または冷やすことで、暑い、寒いという感覚を書き換えて脳に信号!を送り、脳が自動的に体の温度補正を行うということです。
使用方法はAircon Watchを装着するだけで、バンドに装備されているパネルから神経信号が15秒間送られます。 そして15秒間停止し、また15秒間信号が送られます。
つまり、このサイクルを繰り返し、温度変化の信号が送られるごとに体温調節を行うということです。
多くの人がいるオフィスなどの室内でも個々で体温調節ができれば、気温によるストレスの軽減、パフォーマンス低下を防げます。
また、登山などのアウトドアでもより快適に、より活発に行えることが考えられます。さらに、普及率が増加すれば将来的にはエアコンで の温度調節、使用量減少から世界規模での大きな節電に繋がる可能性もあります。
Aircon Watchはワイヤレス充電で、バッテリー駆動時間は冷房モードで4時間、暖房モードで8 時間です。現時点では2018年4月以降に出荷予定で、日本で購入できるのは先になる可胎性がありますが1万円前後の価格です。 また、Aircon Watchのほかにも「Embr Wave」というリストバ ンド型のものも発売予定です。
ストレス社会や地球温暖化と言われる昨今、ひとりひとりが心地の良い温度になることは、 どの場面でも生活しやすくなり、環境面においても世界中の人々がより暮らしやすくなるのではないでしょうか。