先頃発表された気象庁の3か月予報によると、今年の夏も平年より暑くなり、猛暑日が多くなるそうです。
そんな暑い夏にはキンキンに冷えたビールが飲みたくなりますね。
近年 ビール各社は挙って多種多様なビール系飲料を発売しています。ビール系飲料は大きく分けて「ビール」「発泡酒」「新 ジャンル(第3のビール) 」の3つに分類されますが、 これらは酒税法によって定義が決められています。
実は昨年酒税法が改正されピールの定義が大幅に見直されました。
すでにお気づきの方もおられるかもしれませんが、第一段階として今年の4月からビールの麦芽比率が従来の6 7%以上から50%以上に下げられ、副原料の範囲に果実や香味料等様々なものが加えられました。
中にはどんな味になるのか想像もつかないもの(牡蠣·昆布”鰹節等)も合まれています。さらに平成35年10月からは発泡酒の範囲が緩和され従来の新ジャンル商品が発泡酒の範囲に入ってきます。従って、5年後にはビール系飲料の大多数は「ビー ル」と「発泡酒」に絞られることとなります。
これには ビール系飲料に課せられる税金の負担率を変えようとする課税当局の思惑も込められており、酒税法改正の狙いは税の一本化にありました。具体的には平成32年 1 0月にピールの税負担率を下げ、新ジャンル商品を引き上げます。 次に平成35年10月にビールを再び下げて、新ジャンル商品を 再度上げます。この時点で新ジャンル商品と発泡酒の税負担率が同水準になります。(今の新ジャンル商品が発泡酒扱いになりま す)そして、最終的には平成38年10月に再びビールが下がり、発泡酒が上がって一本化が完了するというシナリオです。
因みに、これらの税負担率の見直しはビール系飲料だけに止まらず清酒、果実酒、チューハイ等にも及ぶ大々的なものです。結論だけご紹介すると、酒税は下がり果実酒とチューハイは上がることになります。
これは、人口減少などで酒類の消費が年々減少している中で、 なんとか税収を確保しようと企てた課税当局側の知恵なのかもしれません。
最後に、5月29日の日経新聞朝刊に炭酸飲料最大手のコカコーラ社が缶チューハイの発売に乗り出したという記事が載っていました。唯一消費者を伸ばしているチューハイ市場に望みをかけようとしているようですが、果たして今後税負担が増えるチューハイ に活路を見出せるのか注目です。