仮想通貨が徐々に浸透している中で、通貨の原点である金に着目した新たな電子コインが発表されました

日銀は昨年9月、長期金利を0%に誘導する新たな金融 政策を導入しました。同時に国債保有残高を年80兆円増 やす従来の方針は「めど」として継続するとしていましたが、 実際は年60兆円強(11月末現在)とペースダウンしています。
すでに日銀の国債保有残高は400兆円を超え、全体の4割以上を日銀が買い占めている状態です。大規模緩 和策の出口が見えてこないため、買い入れ余力を確保す るためのペースダウンのようですが、いずれ限界点を迎えるのは避けられません。

そんな中、長崎県のリゾート施設ハウステンボスが今後の インフレ対策にもなり得る、独自の電子通貨を発表しました。 それが、「テンボスコイン」です。

これはハウステンボス内で 使用できる電子通貨で、12月中旬から約3ヶ月間、従業員 1300人を対象に実証実験を始め、社員食堂や場内のレス トラン、物販店舗で利用できます。スマートフォンで無料ア プリをダウンロードし、園内の指定の場所で1テンボスコイ ン=1円をチャージします。その他にも、先進的なサービス を提供し続け、日本のリゾート施設中で第3位の集客率を 誇るハウステンボスならではの新しい展望があります。
それは将来的に「テ スコイン」を、円やドル、ビットコイ ンなどと両替可能な仮想通貨にしていき、世界初の金本 位制に基づく電子通貨とすることを目標にしています。既 ンツステンポスでは仮想通貨の裏づけとして、1トンの金 (約50億円)を購入しています。
また、12月16日から園内にて、所有する金の8億円相当を展示する「黄金の館」という建物を作り、6000万円相当の金塊を持つことができる体験 コーナーなど金の魅力を感じてもらう施設もあります。
まだ実 証実験の段階のため、一般利用が始まる日は決まっていま せんが、遊びながら運用もできる通貨があれば、よりお客様 にとっても使い勝手のいい通貨になるのではないでしょうか。
ハウステンボスの代表である沢田氏は、「テンボスコイン」 の将来を、消費者の視点で便利で新しい金融サービスに挑 戦したいと話しています。特に金利面では意欲的で、園内 で使い残ったコインは銀行のようにハウステンボスで預かり 預かっている間は金利がつく仕組みを考えているそうです。 日銀の金融緩和が続けばいつかはインフレを招く恐れがあ る中で、「テンポスコインはその金の価値の範囲でしかコイン を発行しないため価格は下落しないはず。究極的には 「円」より値打ちがある資産なったら」と話されています。

どこまでのビジョンを描いているか計り知れませんが、未来が楽 しみでなりません。