インターネットでの買い物が当たり前になった昨今、梱包などでよく目にするガムテープ。 あまり気にすることのなかったガムテープのルーツと、防災にも役立つ意外な使い方をご紹介していきます。

家や会社に必ずあるほど私たちの生活に馴染んでいるガムテープですが、日本で製造が始まったのは1923年と国内生産だけでも100年近い歴史を持っています。

旧来のガムテープは乾いた糊がついており、水を塗ることで貼り付けることが可能になるという切手のような仕組みのものでした。
また糊のついていない面は剥離加工がされておらず、私たちの知っているようなつるつるとした光沢もありません。

いくつかの企業は一般的に私たちが「ガムテープ」と呼んでいるものは「クラフト粘着テープ」であるとの見解を出しています。

さて、このガムテープ、誰によって生み出されたのでしょうか。

実はガムテープはトーマス・エジソンの発明品のうちの一つです。

エジソンといえば蓄音機やトースターなど様々な発明で知られるように発明王と名高い偉人ですが、やはり有名なのは白熱電球でしょう。

一口に白熱電球といっても、厳密に言えば白熱電球自体の発明はエジソンではありません。

白熱電球はジョゼフ・スワンという物理学者によって発明されました。しかしこの白熱電球のフィラメントの寿命はとても短く、家庭へ向けた実用化は困難でした。

そこで試行錯誤の末に竹を材料として明るさが長く続くフィラメントを作り出すことに成功したのがエジソンです。

この材料の竹というのが京都府八幡市の竹であり、エジソンは八幡の竹を多く輸入する他にも様々な面で日本と懇意にしていたという歴史があります。

さて、話はガムテープに戻ります。
梱包などに必須のガムテープですが、災害時にも活躍することをご存知でしょうか。

骨折の際には患部に添え木を固定することができ、傷口にタオルやガーゼを当てた上からガムテープを貼ることで止血も可能になります。

ガムテープの種類にもよりますがペンで書いて様々な場所にしっかりと貼ることができるため、けがの状態を書き記してけが人に貼っておけば手当の際に状況把握の助けになります。また、ちょっとしたメモや安否確認のための置手紙としても使うことができます。

そして隙間風を防ぐほか、避難所ではプライバシーに配慮した空間のため段ボールでの仕切りを作るときにガムテープが必要となります。

ガムテープがかさばるため、防災バッグに入れにくいという声に警視庁警備部災害対策課はツイッターで布ガムテープの芯の取り除き方を公開しています。

ちなみに、梱包でよく見かける紙製のガムテープよりも布ガムテープの方が粘着力は強く、直接文字を書くこともできるので防災バッグに入れるなら布ガムテープの方がおすすめです。

布ガムテープを芯の部分が柔らかくなるまで押し潰して芯を取り除くと、布ガムテープを平らにすることができます。この平らにした布ガムテープを輪ゴムで束ねると防災バッグの隙間に入りやすくなります。

まさかエジソンも自分の発明品が後世に防災バッグへいくつも詰め込まれるとは思っていなかったでしょう。

まとめて買っても家ではデッドストックになりがちなガムテープ、一つ防災バッグへ入れてみるのはいかがでしょうか。