「エアレース世界遥手権レッドブル,エアレースワールドチャンピオンシップ」2018年

今月2日、UAE(アラブ首長国連邦)のアブダビで世界最速の王座を賭けた男たちの熱き戦い「エアレース世界遥手権レッドブル,エアレースワールドチャンピオンシップ」の2018年シーズンがいよいよ開幕しましたが、皆様はご存知でしょうか。

エアレースとは高さ25メートルの上空をアクロバット飛行用に専用設計されたプロペラ機に乗り、約5kmのコース上にエアゲート(パイロン型の風船)を指示された順序と方法で タイムを競い、最も早く飛行した選手が勝者となるモータースポーツです。

2003年に始まり、最大時速375km、最大加速度10G(自分の体重の10倍の重さが身体にのしかかる強さ)という過酷な状況下で、1000分の1秒差を競って最高の操縦術を競います。
マスタークラス14名とチャレンジャークラスに分かれており、チャレンジャークラスでは皆が主催者により整備された同じ機体で飛行しますが、マスタークラスでは機体の確保とその開発、チームの運営も各選手が行うため、マスタークラスへの昇格決定後はチーム体制構築など、飛行だけでなくチーム運営も必要となります。
この大会に-昨年、史上初のアジア人王者となり2年連続で優勝をしているのが、日本の室屋義秀選手です。
彼は大学生の時にグライダーの練習を始め、最終的にグライダー日本選手権で3位に入ると、その後は渡米してパイロットライセンスを取得しました。
世界有数のエアロバティックスイソストラクターのランディ·ガニエの元でその技術を学び、エアロバティックス世界選手権アドバンスクラスやエアロパティックスヨーロッパ選手権アドバンスクラスなど、世界各地の様々な大会に出場しました。
しかし、デビュー当初は連戦連敗が当たり前でした。その後は、自身のトレーニングに加え、機体の改良を重ね、今では世界の”強豪”のひとりと数えられるまでになり、日本を代表するエアロバティックスパイロットとして活躍しています。

昨年、日本で開催されたレースでは、わずか0.1秒の差が勝敗を分ける接戦が繰り広げられましたが、更なる連覇に向けて進化し続ける室屋選手は3年連続優勝の期待が集まります。